簿記3級について
社会人として身につけておくべき必須の基礎知識。基本的な商業簿記を習得し、小規模企業における企業活動や会計事務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。簿記3級の合格率は40~50%程度です。経理・事務関係を目指している方は上位資格の2級や1級に進むための橋渡しとして受験する方が多い。簿記の最低限の知識を身につける事ができる有用な資格です。
受験理由
ITパスポートの勉強範囲にある貸借対照表や損益決算書を学ぶうちに、企業の経営数値をもっと理解できるようになりたい、お金の流れを詳しく知りたいと思い、会計の基本である簿記3級を受験しようと決意しました。もちろん、合格後は2級の受験も目指しています。
簿記3級合格への勉強時間
【勉強期間】3~4ヶ月 (平日1時間 休日4時間)
1ヶ月で約60時間なので、約180時間~240時間です。ITパスポートと同じくらい勉強しましたが、得点につながりやすいのは簿記の方かなと感じました。単純に、ITパスポートの方が範囲が広いのかもしれません。
簿記3級の勉強時間で検索すると約100時間と出てきますが、無理のない計画で通常の倍ぐらいの勉強時間をかけています。誰でも合格できる計画です。ITパスポートと違い、社会人の常識で点数につながる部分がほぼありません。完全に新しい分野の知識です。なので、経理職に就いていない方(※私もです)は、テキストを読み始めると仕訳に出会い意味不明な感覚に陥ると思います。そして、資産・負債・費用・収益・純資産とのつながり方を理解し、勘定記入などを得意にし、試算表や精算表で取りこぼしを無くすための勉強時間としてこのくらいが妥当かと思います。何より、確りと頭に定着しているので、2級の勉強にも自信を持って進む事が出来ます。
【短期合格】2ヶ月 (平日1時間 休日4時間)
テキスト(1周) → 問題集(2周) → CBT対策(1周)
1ヶ月で約60時間、全体で約120時間で短期合格は可能だと思います。テキスト30時間・問題集60時間・CBT30時間で多くの問題にふれ、慣れを作る事が目標。ただ、短期合格なので苦手分野を捨てる必要が出てくる可能性があります。
テキストと問題集
【テキスト】みんなが欲しかった!簿記の教科書 日商3級(TAC出版)
簿記について、右も左もわからない初心者にもわかりやすく、理解しやすい本でおすすめです。約300ページの内容に、簿記3級の出題範囲がしっかりと抑えられています。チャプターごとに基本問題が載っていて、例題で学んだ事をしっかりと定着できる様に工夫されています。本のレイアウトについてもカラフルで見やすいです。例題と基本問題の違いは、数字の桁の変化で基本問題ではより試験に近い数字の問題で実戦力を養えます。ただ、演習量が全然足りないので他の本で補う必要があります。
【問題集】みんなが欲しかった!簿記の問題種 日商3級(TAC出版)
上記の簿記の教科書で学んだ事を確認するための問題集です。約190ページに試験に出題される、第1問対策、第2問対策、第3問対策、模擬試験3回と頻出事項はしっかりと網羅されています。解説も詳しく、教科書を理解できていれば十分理解できます。教科書と問題集を3周以上すれば、合格は見えてくると思います。ただ、CBT受験の方はCBT対策をしっかりと行って下さい。TAC出版のHPからCBT対策を行なえます。
【過去問集】合格するための本試験問題集 日商簿記3級(TAC出版)
問題演習の量に不安がある人、確実に合格したい人は『合格するための本試験問題集 日商簿記3級』をおすすめします。この本の良いところは問題数の多さです。約340ページの内容に、第1問対策、第2問対策、第3問対策、12回分の試験問題と満足の一冊です。質も量も文句なしの問題集で、しっかりとやり込めば自信がつきます。ただ、解説がすこし堅い文章なので好き嫌いが分かれる本かもしれません。また、最短合格を目指してる方にはおすすめできない内容量です。
【CBT対策】TACのホームぺージより対策
CBT受験の方は、CBT対策は必須です。上記の本にパスワードが掲載されていますので、TAC出版のHPから受験を行って下さい。最低でも、3回は受けてCBTの流れや時間配分を確認しておくと本番にミスをする事はなくなると思います。
勉強計画の立て方
【目標】テキスト・問題集・本試験問題集を3周
上記の図より、まずテキスト1周目を読みながら基本問題を解いていきます。簿記初心者は、最初の理解は何となくでいいので、どんどん進めて行きます。問題を解き、なるべく手を動かして、書きながら進めて行くうちに理解量が増えてきます。最初から完璧に覚えようとすると挫折に繋がります。(約25時間)
テキストを終えたら、問題集1周目に進みます。問題集の問題は本試験レベルの問題なので、一問でも解ければ、自分の理解が進んでいると自信に繋がります。間違えた問題は解説をしっかりと読み、それでも理解できない場合は、テキストを確認したり、付箋などでチェックしておきましょう。また、模擬試験3回分に取り組みます。試験全体の流れを理解しましょう。(約20時間)
問題集を終えたら、本試験問題集に進みます。本試験問題集の第一部の問題量が多く、やり終えると仕訳のレベルが格段に上がります。第2問対策では苦手分野の発見にも役立ちます。第3問対策は試算表・精算表の流れがしっかりと理解できます。そして、本試験12回分を終える頃には70点以上が見えてきます。ただ、注意点として試験慣れで点数が取れているが、本質的な理解に達していない部分も多々あります。また、本の説明にも書きましたが、文章が若干堅いので好き嫌いが分かれると思います。(約30時間)
テキスト2周目に進みます。上記の問題集をやり終えた後にテキストを確認すると、理解できなかった事がほとんど理解できる様になっている状態。何となく問題を解けるから内容の理解が進んでいる状態を実感できると思います。理解できない部分はチェックしておく。(約15時間)
問題集と本試験問題集の2周目に進みます。問題を解いていく中で、細かい知識がしっかりと身に付いて行き、三伝票制・勘定記入・決算仕訳・試算表・財務諸表・試算表などの問題にもしっかりと対応できる力が身につきます。そして、間違えた部分は疑問点を残さないように確認し、チェックしておく。(約15時間+約25時間)
問題集と本試験問題集の2周目が終わったら。CBT試験にチャレンジし、本番を想定して取り組む。TAC出版のHPには10回分の問題が用意されているので、5回分以上は解いて本番の時間に慣れておく。 時間が足りない時は合格点を取れる時間配分を考えて試験に挑む。本で見る数字と画面で見る数字では、桁の間違いなどでミスをしたりします(※自身の体験)。また、時間に追われる事で焦りが生まれるのでミスしないように注意する。(約15時間)
3周目は、テキスト・問題集・本試験問題集で、理解不足の部分や間違ったところ、苦手分野を繰り返し解き、確認を行う。CBTが苦手であれば、CBTを繰り返し解くなど点数が伸びる部分を重点的に学習時間にあてる。(約5時間+約10時間+約20時間)
以上より、学習時間の合計は約180時間です。計画通り学習が進めば、本試験で合格点を取る可能性は高くなると思います。学習時間については、数字と向き合うのが得意・不得意や、経理関係の仕事をしているか否かでも合計時間は前後すると思います。学習方法として、1日30分でもいいので毎日勉強をする事が大切です。そして、理解できなくても諦めずに続ける事で理解は後からついてきます。短期で合格を目指している場合は、本試験問題集を使わずに計画を立てる事で大幅に短縮する事もできます。
自信を持って挑戦する!
【受験戦略】配点の高い第1問(45点)→第3問(35点)→第2問(20点)という解答順で解いていくのが基本的な戦略です。電卓の使い方に慣れておく。
【受験申込】2周目を終えたら、受験申込を行いモチベーションを上げ、ラストスパートをかける。
【受験当日】当日の受験直前まで、間違えたところや気になる部分を最終確認し受験に挑みましょう。計画通りの勉強量を乗り越えてきたなら自信を持って挑戦して下さい。試験終了と同時に結果が表示され合否が確認できます。
【最終更新 2024/8/29】
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